三角コーナー

キッチンシンクに思想は流せないからな

憧化

巷で話題のあの映画のお話。泣きっ面に蜂が2度来たと思ったら3度目がスズメバチだったらそれはもはや喜劇だろうか。 考えさせられるだとか、誰しもが彼になりえるなどといった感想を目にするたびに失笑してしまう。どん底にいてなお、自らにまだ下はあると言…

好悔

祖母がついに死期を悟ったらしい。今更か。死が怖いという感情を自覚し、色々とやっているらしい。死の受容の五段階で言うならば取引のあたりだろうか。 祖父は自殺したと聞いているし、確か彼女の兄弟だったか親戚も自殺していたはずだ。そんじょそこらの人…

生期

人は過去にしか生きることが出来ないと思っている。此岸に生を受けたまさにその瞬間から、彼岸を見つめねばならないのが人間という生物であるし、最初から終わりが見えている生物が見ることが出来るのは過去でしかないと思う。現在進行形、未来形、さまざま…

過故

忘れえぬ地獄の話。心のうちに留めておくにも、誰かに溢すにも、美談にするにも糧にするにも適さない。 犬が死んだ日。恋人に心無い言葉をかけられ、母は私に泣きつき、私は口を噤んだ。ただアルコールを啜り、理性の蓋を外そうとしたけれど、もはやどこに理…

血意

優しさが温かいと表現されるのはそれが血に纏わるからという話。 やさしいひとになりたい等と思ったのはいつの話だっただろうか。昔から好きな歌を作るあの人はやさしくなれたのだろうか。優しさとは血そのものである。概して誰かに対する温情であったり、赦…

空洞

どこぞのバンドの曲と同じタイトルだ。思うことこそあれ、特にこんな場所で言い立てることもない。ただ、文章を書くという行為には人生が垣間見える。詩であれ、小さなゴミ捨て場であれ。 それなりに必死に頑張ってきた人生だった。もはや断定で書いても許さ…

個毒

父親と出会ったことがない。顔こそ母の残していた写真で見たことはあるが、実物の存在を知らない。今死んでいるのか、生きているのかもわからない。 母親と出会ったことがない。両親に対して並々ならぬ不満を抱えていた彼女は、およそ彼女を形作る身の回りの…

諦念

諦めることが出来るのは幸せである。 そもそも、望まなければ諦めるということが選択肢に入ることはない。脚がない人間でもサッカーをやろうと思わなければ、それはただ人生の中で触れなかった事柄その1でしかない。 裏を返せば、望むことを選べるそれ自体が…

無為自然

物事はあるがままにしかならんということ。最近気付いた。 感情はものごとを受け入れるためのプロセスでしかない。どんなに泣いても死んだ人は帰ってこないし、どんなに怒ってもミスは取り返せないし、どんなに笑っても面白いことそれ自体に変化は生まれない…

善さ

真面目な人、自立した人、良い人、優しい人。これらに共通するものは、「善さ」という不明瞭なものを手に入れる代償として、人生を賭して損をしていることだ。 真面目な人は不真面目な人のケツを拭くことが仕事であるし、自立した人は自立できていない人の支…

無関心

全てに対して無関心であることこそ最大の平等ではないのか。 「知らんけど」という関西弁はネタにされがちだけれど至極全うなものであると感じる。本当に「知っている」ことなど人間にあろうはずもない。 理解しようと努める姿勢は肝要だが、入れ込みすぎれ…

自由

平等とリベラルについて。 平等ー人間は,人種,信条,性別,門地・社会的身分などの違いにかかわりなく,個人相互の間において,人間としての価値に差異はないという思想。 リベラルー 因習などにとらわれないさま。自由主義。 この二つは人間がしばしば目…